第68回小学校低学年の部 最優秀作品

「それぞれの「せかいの見かた」でいいんだな」
 仙台市立岩切小学校 2年 中堤想乃

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 わたしは科学がすきです。原子や分子の表を見たり、物がどんな物しつからできているか考えたり、夜に星空をながめたりすると心がわくわくします。でも、まわりの友だちに科学の話をすると「ふうん。」とながされたり、「話が合わないね。」と言われたりします。科学がすきなわたしは、少しへんなのかもしれません。わたしは、科学がすきな気持ちを、ふだんは、心の倉庫にしまうことにしました。

 「すうがくでせかいをみるの」に出てくる女の子は数学がすきで、まわりの人からちんぷんかんぷんだと思われています。あ、わたしとにているな、と思いました。でも、この本に出てくる人たちは、とてもどうどうとしています。パパは絵がすきで、ママは虫がすきで、お兄ちゃんは音楽がすきです。そして家ぞくみんなで、おたがいのすきなことを大切にしています。そうか、すきなことをへんだと思わなくていいんだな、と思いました。「だれにだってすきなことがあって それぞれのやりかたでせかいをみてる」ということばが、いろいろなせかいの見かたがあっていいんだよと、ゆう気をくれました。

 今年の夏に、わたしはサイエンスデイというイベントにさんかしました。たくさんの体けんブースがあって、大人も子どももみんな科学の話にむちゅうでした。科学をすきな人がこんなにいるなんてしりませんでした。一人じゃなかったんだと思ったその時、あの女の子が頭にうかびました。科学がすきな人がたくさんいるように、きっと数学がすきな人もたくさんいるはずです。一人じゃないよと、わたしもゆう気をあげたくなりました。

 みんながおたがいのすきなことを大切にできたら、とてもすてきだと思います。いつかあの女の子と友だちになって、数学で見たせかいのことを教えてほしいです。わたしも科学の話をします。わたしはわたしのせかいの見かたをすきでいたいし、まわりの人のすきなことも大切にできる人になりたいです。

 

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●読んだ本「すうがくでせかいをみるの」(ほるぷ出版)
 ミゲル・タンコ・作 福本友美子・訳

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