第35回/高等学校の部/優秀賞
「自分でしかない」
中川 文(愛媛県立松山南高等学校砥部分校2年)
「何者でもない」(講談社)
「何者でもない」を読んで感じたのは、誰を演じようと、どう振る舞おうと自分は自分であるということだ。自分という一生逃れられないものに縛られているのだ。それを三人の同一人物で表した。主人公のショウジショウイチは劇団二十一世紀少年の奴隷だが、本当はみな自分の奴隷なのではないだろうか。自分であることを死ぬまで強制され続ける奴隷だ。絵では鎖で人物同士を継ぐことで、その事が見た人に伝わるようにした。