被災地の放課後学校として8年目。地元で親しまれているコラボ・スクール女川向学館(宮城県女川町、認定NPO法人カタリバ運営)にて、7月3日、東北放送アナウンサーの名久井麻利さんが本の読み聞かせを行った。子どもたちが目を輝かせて聞き入った、イベントの様子をレポートする。
読み聞かせに夢中
女川向学館は旧・女川第一小学校にて2011年7月設立。全国からの寄付に支えられて、小・中高校生を対象に心のケアと学習支援を行っている。
学校の授業を終えた小学1~3年生の子どもたちが教室に集まると、いよいよ読み聞かせイベントのスタート。元気な声に呼ばれて登場した名久井さんはやさしい声で、児童書を読み聞かせした。始まるまではにぎやかだった子どもたちも、名久井さんが読み始めると話し声が止み、身を乗り出して聞き入った。
読み聞かせをしたのは、第64回青少年読書感想文全国コンクールの小学校低学年の部、中学年の部の課題図書。学校にまつわる意外なストーリーや、外国の子どもたちの環境、実話に基づく物語、動物たちとの心温まる交流に子どもたちは想像の羽を広げ、作品によっては「どうして?」「危ないよ」と思わず声をかけるシーンも。名久井さんも「そうだね」「よく気が付いたね」と応じ、楽しくコミュニケーションを取っていたのが印象的だ。
クイズに正解!
読み聞かせの後は、作品や読書感想文にまつわるクイズ大会。「山火事が起こったのは5歳の夏だった?」「赤い服を着ていた?」といった質問に、○と×に分かれて回答。クイズの答えが明かされるたびに「やったー」「イエーイ」と歓声が上がった。
東北放送アナウンサー 名久井麻利さん
子どもたちに話を聞くと、「面白い読み聞かせに参加できて、もっといろいろな本を読みたいと思いました」「不思議な物語など本を読むのが好き。読書感想文も頑張って書きたいです」といった感想が口々に飛び出した。
名久井さんも「2歳の娘や自分の子ども時代も思い出しながら丁寧に読みました。読書感想文は、自分が感じたことを誰かに伝えられるチャンス。考えたことをいろんな言葉を使って表すのを、面白がって書くといいですよ」と笑顔。子どもたちにとって関心や学びを広げ、深めていくきっかけとして、また1つの種がまかれたようだ。