第36回/高等学校の部/優良賞

「月光」

 伊藤 葵(宮城県佐沼高等学校2年)

「キッチン」(新潮社)


 私はこの本を読んでみて、これは大切な人という光を亡くした悲しみと向き合う話だと感じました。みかげが「ああ、月がとてもきれい。」と感じるところは、太陽の光を反射して光る月を見て、暗い悲しみのなかで「生」という光と向き合っていくことを受け入れた場面だと感じ、とても繊細で優しい話だと思いました。月の光、キッチン、これらに支えられ、時に向き合いながら二人は生きていってほしいという思いを込めてこの絵を描きました。