第30回/高等学校の部/優良賞
「本質」
櫃石毬花(静岡県立沼津西高等学校2年)
「俺俺」(新潮社)
はっきりしない自分の本質が嫌いでした。
だから、意見を持たず周りに合わせてばかりいる自分は、本当に存在していると言えるのか?という主人公の問いは、私をとても苦しめました。
しかし、自分がいなければ自分は生きられないこと、自分を信じたいなら嫌な部分とも向き合う必要があることをこの本から学びました。窓に映った反射のようにぼやけた本質、それこそが自分なのだと、それでもいいのだと今では思えます。